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animeとかメインのちゃんねる。現在は悪魔くん(メフィスト2世×エツ子)かな。
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school07.jpg屋上探偵*犬村×月島


放・・後

PHOTOby*RainDrop http://momo.raindrop.jp/




 
既に日が沈み、夕焼けの名残が辺りを赤く染める時刻。

今日もトラブル依頼はなく、事務所代わりの屋上から帰る。
重たい鉄扉を閉め、備え付けの鍵を回した。ガチャンと重い音を発てて鍵が掛かった。 


「あれ、もう帰っちゃうの!?」


階段を軽快に昇って来た月島が、途中で足を止めて俺を見上げていた。

「あぁ。もう部活も終わる時間だからな」
「そっか。じゃああたしも帰ろ」
クルッと踵を返した月島の髪が階段の小さな窓から漏れる夕日に反射して赤く光る。

それを見た瞬間、何とも言えない感情に襲われた。
明日も明後日も学校はある。
だが今此処で、別れたらこの先ずっと会えない様な気がした。

「ッ…月島ッ!!」


非常階段に響く俺の声。
その声にビクリと肩を揺らし、ゆっくり振り返った。

「どうしたの、突然・・・」

月島の顔に夕日が当たる。
俺は無言で階段を降り、月島との距離を縮めた。

「犬村?」

こっちから呼び掛けたまま無言の俺に不思議そうな顔を向ける。
月島より数段低い位置まで降り足を止め、間が抜けた顔で俺を見たままの月島を見上げる様な形で見つめ返す。 

「月島・・・」

手を伸ばし、月島の腕を掴む。
「?!」
ピクリと月島が震える。
俺はその掴んだ腕を力任せに引いた。
「ぎゃっ」
あまりにも色気のない叫び声を上げ、つんのめる月島の肩を反対の手で掴むと、落ちてきた月島に唇を重ねた。

「ムグッ!?」
これまた色気のない言葉が重ねた唇から発せられた。
ゆっくりと唇を放すと目の前には夕日より真っ赤に染まる月島。
「なっ・・・なっ・・・なんっ・・・でっ」
言葉にならない言葉を何度も言う月島の頭に手を置いた。


「わりぃ・・・本気かもしれない」

「・・・・・・・・はぁ?」

月島が首を傾げた。
「どうゆう意味、それ」

「・・・・・別に。さて、帰るかな。・・・ほら、行くぞ」
月島に手を差し出すと、少し頬を染めて俺の顔と手を何度も見比べた。
「ほら」
も一度催促するように手を上げると、『う、うん・・・』と月島は手を重ねた。
その手を軽く握ると黙って階段を降りた。
隣を歩く月島をちらりと見れば、さっき重ねた唇に指を当て考え込んでいた。





あの感情は月島を俺のものにしたい、俺の欲――――

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